教師を辞めたかったまいさん(26歳・女性・福岡県)が転職した体験談です。
仕事内容 | 中学校家庭科・高校家庭科の非常勤講師から文化ホールの受付事務に転職 |
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年収 | 250万円前後から180万円にダウン |
非常勤講師として技術家庭を担当
教員を目指していましたが、希望の教員試験に合格できなかったので、大学の教育学部を卒業後、地元に戻って非常勤講師として働き始めました。
教員数は学校の生徒数で決まるため、少人数の学校には技能教科の教員がいない場合が多く、私もその一人でした。
年度にもよりますが、1週間に2~3の中学校を掛け持ちして、1~3年生それぞれの学年の技術家庭科(家庭分野)と選択教科を受け持っていました。
担当の授業の他、ある中学校では総合的な学習の時間に主任講師として指導したり、高校の文化祭の出し物(飲食物)の責任者として参加しました。
3年間非常勤講師として勤務し、校長先生から「是非来年もお願いします」と依頼される学校もありました。
自分の仕事に自信が持てなくなった
私は教師として他の先生方全員で生徒の見本となり、大人としてのモデルであるべきだと考えて教壇に立っていましたが、先生方の中には様々な考え方がありました。
講師になって間もなく、常時学校にいることができないため、私の発言が間違って解釈され生徒を傷つけてしまったことがあります。
その生徒には丁寧に説明し、担任の先生にも理解してもらえましたが、ずっと傷つけてしまったことが心に引っかかっていました。
教壇に立つなら常時学校にいて生徒や先生方と密にコミュニケーションが取れないといけないと考え、教員試験に毎年チャレンジしていましたが不合格が続き、「生徒を育て指導する」と言う職責が講師の自分には重く、自信がなくなったため、次年度の更新を受けず転職しました。
職業安定所で職種をチェック
始めは更新しなかった時に紹介された教育委員会の事務を手伝っていました。
アルバイトとして働いているうちに、ちゃんと正社員として働きたいと思い、応募のあっていた文化ホールに面接に行き採用してもらえました。
就職活動は主に職業安定所と地方発行の仕事募集のタウン誌で、自分の条件に合う職種を探しました。
職業安定所で紹介してもらいましたが、初めての応募で採用が決まりました。
タウン誌で応募した2つの会社には落とされたので、自分には職安の方があっていると思います。
非常勤講師は年度ごとに担当学校数や授業数が変わったため、給与も年度で大きく違うことがありました。
そのため給与の変動がないこと、給与が低くても長く続けていけること、福利厚生がしっかりしていることを条件として探しました。
履歴書の書き方に気を使った
転職活動中、非常勤講師は一般の職業とは違うので、自分の能力の棚卸しに力を入れました。
教師は上から人を見下している人が多いという指摘をもらったことがあるので、履歴書を読む人や面接官にそういった印象を与えないような履歴書や所作を考えました。
教師としての経験が一般の会社でどう役に立つのか、職安の担当者の方と熟考しながら履歴書を作り上げる過程が一番神経を使いましたし、自分と向きあう作業はとても苦しく体力を使うものでした。
受付事務としていろいろ経験中
公的機関の文化ホールにて、ホールや会議室の貸出業務、チケットの販売、講演やコンサートの受託、ホールの会員様管理が主な仕事内容でした。
施設の貸出業務には、全館貸しきっての大きな公演やイベントもあり、駐車場の手配から舞台装置の確認など1年前から打ち合わせをするものもあります。
チケットの販売は、ソフトを使用してパソコン端末に席や値段を設定し、チケット売り上げの確認、データ分析など、チケットに関するすべての責任を負っていましたので、金額が合わないときは遅くまで残り原因を突き止めたこともありました。
会員様の管理は、年二回の広報誌の作成、バスツアーの募集・運営、毎月の会員情報送付作業などがあります。
ホールとしての主催事業では、搬入搬出やイベントの裏方の手伝いもしていました。
新たな職場での出会いが一番の財産
この仕事に決めたのは、公的機関という安心感があったこと、知り合いが既にそこで働いていたこと、期限付きの採用でしたが、期限終了後は嘱託職員になれる可能性があるということが主な理由です。
他に音楽鑑賞が好きだった事もあり、自分にぴったりだと即決しました。
ここで働いている間に、生涯仲良くしたいと思える友人に出会えたことが一番の財産になりました。
年齢はバラバラですが、同じ境遇の中で働き似たような悩みを持ち、それでも頑張っていこうと前向きに話し合うことが出来る友人達に出会えて、本当に幸せに思っています。
仕事としては、一般的な事務を経験できたこと、窓口で接客することが多かったのでお客様への接し方は丁寧に指導され身についたと思います。
それまで非常勤講師として、ほぼフリーランスのような状態で仕事をしていたので、責任は自分一人の者でしたが、会社の一員として窓口に立つ、会社の顔となることの重要性・責任感を学びました。
想像と違ったのは、多くの責任が伴う仕事内容の割には給料が安かったところです。
ボーナスもなく、嘱託職員になっても月給は期限付き職員とあまり変わりませんでした。
時間を無駄にしないために
自分が楽しいと思える仕事ばかりではないですが、不満のある職場でいつまでも働き続けるのは時間の無駄だと思います。
自信がなかったり苦しい思いで仕事をしていると、どんどん不満が大きくなっていき精神的にも辛くなるし、やりたかったはずの仕事が出来なくなっていきます。
今よりもいい職場はきっとあると信じて、一歩を踏み出しましょう。