教師を辞めたかったさくまるさん(25歳・女性・福井県)が転職した体験談です。
仕事内容 | 公立小中学校の教師からクラシック音楽を演奏するソプラノ歌手に転職 |
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年収 | 300万円から100万円以下にダウン |
小中学校の先生を経験
公立の小中学校に3年間勤務しました。
きっかけは大学卒業時に両親と意見が食い違い思うような進路を決められず、もう教師しか道が残っていない状況だったからです。
一年目は中学校で音楽を全校生徒見ていました。
人数は400人ほど。
部活動は吹奏楽部。
勤務時間は朝6:45には職員室に到着。
本来の勤務時間は7:50でした。
帰宅はその日にもよりますが基本的には21時前後。
一番遅くて22:30でした。
本来の終業時間は16:20です。
二年目からは小学校の教員が足りていない、ということで私は小学校の免許は持っていませんが、仮免許を取得して小学校で働くこととなりました。
音楽しか学んでこなかった私が「国語」「書写」「家庭科」を教えることとなりました。
勤務時間は基本的には7:15~19:00。
本来の就業時間は8:00~16:30です。
小学校勤務を2年続けてから退職しました。
現場の体制についていけなかった
もともと仕方なく選んだ職業だったので、やってるうちに腑に落ちて心から勤務できることを望んでいました。
しかし腑に落ちるどころか不満が溜まっていく一方で一年目の秋には教員採用試験に合格しましたがその採用を断り転職することを決意しました。
私が抱いた不満とは、まず教師は365日24時間教師である。という概念から、勤務時間への意識がかなり低いということでした。
どこにいようが何をしていようが教師は教師としての自覚を持たねばいけません。
だからといってずっと長時間職員室で仕事をしなければいけないのは間違えています。
主任からは毎日「私は朝は何時に来て夜は何時まで仕事をして土日も来ている」と言われ続けました。
また、専門教科以外も教えるという現場の体制についていけなかったです。
就活はオーディションだった
夏前に校長から教師に転勤等のヒアリングがあるので、そこで退職の旨を伝えます。
かなりの人員不足なので相当引き留められますがそこは強い意志で断り続けました。
次は演奏家という職業に就くと早い段階から決めていたので、様々な情報を自分の手で時間をかけて手に入れ、オーディションを受けていきました。
学校で働いているうちは副業禁止なのでボランティアの演奏活動を行い経験を積んでいきました。
そして、2月にオーディションに合格し演奏家としての契約にいたりました。
名の知れた団体への加入を希望していました。
過去に小さな企業でインターンのような形で演奏家として活動しましたが、経営や運営のあまりにも杜撰でフラストレーションを抱えたことがあります。
名の知れた歴史のある団体なら、そのあたりはある程度クリアしているだろうと予想しました。
演奏家への転職は実力がないと無理
教師は非常に安定した職業です。
毎月決まった給料が支払われ、ボーナスもしっかりはいる。
また社会的地位がある程度確立された仕事です。
しかし私の転職先は実力社会の超不安定社会。
教師仲間からは心配の声、そして「教師以外にもできることがあって羨ましい」という声が浴びせられました。
そしてオーディションに合格したり、コンクールで賞を得たりしない限りは仕事して成り立ちません。
実際今の収入は仕事として成り立っているかも怪しいです。
全ては実力がないと成しえない転職でした。
演奏家は給与が不安定
その団体に専属歌手として登録します。
仕事のオファーがあれば演奏家としてその仕事に取り組みます。
仕事内容としては
- 学校での演奏会
- アウトリーチ
- 企業の会合での演奏
- ホールでの演奏会
- 病院で慰問コンサート
- イベントでの演奏
など、多種多様です。
しかし歌手としての登録ですので、教師のように自分の専門外のことをすることはありません。
必ず自分の専門分野を演奏します。
給料は、その団体が主催となっているものはその団体から支払われ、団体へオファーが来た場合はそのオファーした相手とこちらの交渉の末ギャラが決定し、その相手から支払われます。
ですので、場合によっては今月は3万円だったが先月は30万円だった、ということがありえてしまします。
お金や地位より大切なものを選んだ
今登録している団体は、私の住む土地では名の知れた団体でした。
そしてそこに所属している音楽仲間が充実した音楽活動を行っていたので、オーディション受験に至りました。
スタッフの方々も仕事が早く思いやりも持ち合わせる素晴らしい環境です。
よかったことは、大学時代からやりたかったことができているという点です。
やはり自分のやりたいことを職業に出来ると満足感を十分に感じられることができます。
教師時代は自分のやりたくない仕事や専門外の仕事にずっとさいなまれていました。
そのうえ勤務時間もかなりの長時間。
長く働くものこそ正義。といった風潮でした。
生きていくうえでは「お金」や「地位」も大切です。
自分の心に聞いてみたところ「お金や地位よりも一度きりの人生なのだからやりたことをやりたい」と答えました。
実際ストレスが募る一方でした。ストレスがたまりすぎて、体を壊しました。
全身湿疹が止まらなかったです。
特に顔の湿疹や肌荒れが尋常ではなく人前に立つことに恐怖も覚えました。
転職した今では湿疹は出ません。
肌荒れも治りました。
心の声を聴きながら生きているという感覚です。
転職に重要なのは情報とお金
私は25歳という年齢での転職でした。
転職を決意したのは23歳。およそ2年間の準備期間を経ての転職です。
理由はやはり金銭面です。
ある程度の金銭的余裕がないとできることにも限りが生まれてしまいます。
そして情報面です。
情報は武器です。
情報は日々増え進化していきます。
時間をかけて時代の流れを読み取っていった方がいいと思います。