看護師を辞めたかったココナッツジュウスさん(27歳・女性・兵庫県)が転職した体験談です。
仕事内容 | 大型病院の看護師からホテル系サービス業に転職 |
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年収 | 450万円程度から300万円程度にダウン |
不規則なシフト勤務で夜勤は当然あり
病棟勤務の看護師でした。
学生時代の専門が看護だったのでそのまま病院へ就職しました。
経験年数は5年から6年ほどで中堅の下くらいの位置でした。
若い人が多いので、たまに学習会の指導や主催をする立場にはなっていました。
病棟勤務だったので不規則なシフト勤務で、夜勤は当然ありました。
患者さんのお世話はもちろんですが、勤務時間前に担当患者さんのチェックをして、チームの打ち合わせ、注射などの事前準備をしてから病棟を回ります。
処置、点滴、出来る業務は可能な限りに午前中に済ませ、午後は雑用や残りのケアなどを終わらせる感じです。
夜勤は同じような内容に、定期業務が入ります。
緊急時は処置やらチーム会議やら忙しくなりました。
ほかは休日出勤も学習会などではありましたし、リーダー的な業務も併用していたので、かなり多忙でした。
給与が良くやりがいもあるけど漠然とした不安が…
他の業界の友人と会っていると、医療業界が独特なのはわかっていました。
ある日、小さいですが失敗をすることで普段から感じていたもやもやが大きくなりました。
「このままでいいのか」という不安が気になり始めて、悩みとなりました。
別業界の友人が話す内容は世間では当たり前のことで、自分はかなり世間知らずだということに20代半ばでやっと気が付いたことでした。
平日休んだり時間を有効に使えるところ、給与の面ややりがいという点では看護師はよいところもあるのですが、友人と思うように会えなかったり、休みでも出勤したり、年齢とともに体に不調を感じたり、漠然とした不安が気になり悩みました。
看護師という仕事に見も魅力はあるので悩みましたが、人間関係も悩みの一つだったので思い切って環境を変える選択をしました。
一般事務職で未経験者OKのところを中心に活動
別業界の友人に声をかけたいました。
あとはリクルート系の転職サイト、ハローワークを使いました。
一般事務職に的を絞りました。
なんといっても事務職経験は全くなかったので、難しい仕事はできません。
未経験者OKというところを中心に活動しました。
学歴上、どうしても看護師という経歴は無視できないので就職活動は難航しましたが、電卓、英語検定、秘書検定など級は高くないですが取得していたので、何とか履歴書を埋めてアピールしました。
給与面では看護師より落ちるのは当然だったので、とりあえず生計を立てれるくらいの給与、あとはそれを補えるような福利厚生、通勤距離に注目して探しました。
以前のように夜勤は体力的な不安があったので避けました。
看護師の経験に興味をもってもらい就職が決定
看護師だったので、書類選考で落ちることが多かったです。
10社以上受けましたがなかなか決まりませんでした。
看護師ということに興味をもたれ、面接まで行っても「どうしてやめたんですか」「看護師のほうがいいでしょうに」「わざわざ看護師なのにやめる必要があったんですか」とかいろいろ言われました。
でも友人知人に声をかけていたところから紹介があり、ご縁をいただきました。
そこはホテル業をしていたところなので、看護師という経験に興味をもってもらい就職が決まりました。
フロント業務では看護師の経験が役に立った
一般事務なので、伝票整理や帳簿管理、取引業者への連絡係、書類作成と、欠勤者がいるときや繁盛期のフロントへの補充人員を兼ねていました。
主に事務職だったのですが、未経験ということは考慮してもらっていました。
簡単な事務仕事から開始し、電話応対はフロントでの研修を受けてから電話応対へも出れるようになりました。
他には伝票整理はファイリング事務も含まれていましたし、慣れてきたころには給料計算も任されるようになっていました。
フロント業務は週に1回から2回あるかないかの頻度でしたが、体調が悪そうなゲストに声をかけるようにしていました。
ここで看護師の経験が役に立っていたようで、「個性」としてゲストには映っていたようです。
声をかけていた翌日には、「ありがとう」といわれることもありました。
事務仕事だけでなく教養が得られて大変良かった!
一般的な事務仕事は幅が広く、簡単な経理業務が入っている会社がかなりありました。
そんな中で事務職未経験という点を考慮してもらい、簡単な事務作業から入れる点と事前に「フロント係がたまにあるので、看護士の経験が生きるかも」といわれていたことから、決めました。
事務仕事が多岐にわたることが分かった点、事務仕事を経験して季節のあいさつ、事務的なこともありますがマナーや電話対応の取り扱い、会社の仕組み、世間の常識など知らなかった教養が得られたことは大変良かったです。
看護士を続けてキャリアを積むことも道としてはあったでしょうが、ずっと知らないことが多いまま年齢を重ねたとき、世間の感覚からずれた大人になっていた可能性が高いと思いました。
これは非常に良かったと思います。
病院の関係者と接すると、かなり世間知らずで傲慢な人がいます。
「何様?」といいたくなるような人です。
でも、自分も一つの閉鎖的な業界にいたと考えたら、同じような人物になっていたことは否定できません。
これは怖いことでもあるし、自分を見直す良い機会だったと今も思います。
経済的なことだけで言うなら、ちょっとしんどかったです。
違った経験をすることで違う見方ができるようになる!
どんな経験も無駄はありません。
「好きなこと」を仕事にして生き生きできることが一番です。
でも、ときに疑問を感じたとしたら、一度立ち止まって、考え直すことも悪くはありません。
別の業界で働くことは勇気が必要かもしれませんが、違った経験をすることで違う見方ができるようになります。
また看護師に戻ってもいいのですから、経験を積むという点ではキャリアは違うかもしれませんが、内側だけの視点ではなく、外の人の思いを知る良い機会にもなります。
看護師だけが仕事ではありません。でも看護師は悪い仕事ではありません。
色んな事を知るという点では、別業界を経験することはよいことかもしれません。