ニートを辞めたかったryuさん(25歳・男性・大阪)が転職した体験談です。
仕事内容 | 大学卒業後2年間のニートから介護施設のヘルパー(正社員)に転職 |
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年収 | 1万円から340万円にアップ |
就職浪人からそのままニート化…
大学卒業後は企業に就職しようと就活を頑張りました。
しかし、学生の間に資格も普通免許しか取得しておらず、特別な活動もしていないため周りの就活生と比べてインパクトはありませんでした。
そのためか履歴書の時点で落とされることが多かったです。
面接に至っても緊張してしまいうまくアピールすることが出来ず、就職浪人をしてしまいました。
就職浪人生として就活する中で新卒ブランドも無くなり挫折を繰り返すうちに「そこまでして仕事は必要か?」と考え、就職を諦めました。
そこからは実家暮らしをしつつ、元々貯めていた貯金の一部を生活費として家に収め、就活中という体で生活していました。
しかし、実際にはインターネットでハローワークを見ては満足し、時々面接と言ってスーツで出かけて町で一日をつぶしては帰宅するという状態が続きました。
アルバイトも考えましたが、大卒の身としてはプライドが許さなかったことと、生活はできていたため、そのままニートと化してしまいました。
両親に怒鳴られ、正社員になろうと決意!
実家暮らしには不満もなく、就活を頑張っているがなかなかうまくいかないと思っている両親も協力的でした。
しかし、嫁いだ姉が帰省したとき、「仕事は?就活は?どんな仕事に就きたいの?今はどこの会社を狙っているの?今までどんな会社を受けたの?一緒に考えて対策を取るから書類見せて」と不必要なおせっかいを焼いてきました。
名ばかりの就活のため履歴書も当然書いておらず、見せることが出来る書類も面接に行った会社の資料も何一つありませんでした。
それを知った両親から怒鳴られてしまい、「ニートを育てるために大学まで行かせたわけではない、働け」と言われ、今年中には転居することになりました。
おそらく数年後に父の定年退職もあったため、今のような生活はできないことを想定して強くいったのでしょう。
しかし、両親は一度決めたことは曲げないため、本当に追い出されかねません。そのため正社員になろうと決めました。
友人が勤務する病院を紹介されて
就職活動するにあたり、これまでのように一般企業ではアピールポイントもないことと新卒でもなくニート期間もあったため、時間の無駄と考えました。
また、もともと運動部に所属し、筋肉と体力はあったため体を使う仕事にしようと決めました。
しかし、現場仕事は性に合わないことと福利厚生や保険など色々不安な点もありました。
それを友人に相談すると「勤務している病院でヘルパーが不足しているから来ないか?」と紹介されました。
その病院のことは友人を通じてどんな環境かも教えてもらっており、安心して就職活動に挑めました。
ヘルパーということで夜勤はありますが、出来るだけ日勤での勤務を希望しました。
残業は少なく年収は最低300万円以上としました(最低限生活できるレベル)。また福利厚生や病院勤務となる為労災についてなども条件にしました。
無職の期間をどう説明するか、履歴書と面接に苦労した
ヘルパーになるにあたり、履歴書の作成と面接で苦労しました。
履歴書に関してニート期間をどう説明するかです。
アルバイト経験もほとんどなく無職の期間をどう有意義に生活していたかを説明する必要もあります。
そして、ヘルパーを目指す動機について、私としては正直手に職があれば何でもよかったため動機も何もありませんでした。
しかし、働き始めるにあたり第一印象もとても大事であり、できるだけ印象の良い就活生でいたいと考えました。
そのためニートであった自分をいかに良く見せるかが大変でした。
初めは雑務から、数カ月研修を受けたあと介護業務も
就職先で初めのころは主に患者様のベッドシーツの交換や手すりや柵などの拭き掃除、オムツやトイレットペーパー・シーツといった備品の交換や補充などをししました。
また、食事の時間になったときの患者様の食堂までの搬送(乗り移りは他の経験者ヘルパーが行う)やお茶くみなど直接的に患者様と触れない雑務が中心でした。
対人職となるため、下手に未経験の者が直接患者様の介助・介護を行うと互いにけがをしかねないためとの配慮でした。
そして、雑務をしつつ、介助・介護の仕方をレクチャーしてもらう研修を受け、数カ月経ってからは身辺介護業務も始まりました。
これまでの雑務に加えてお風呂に入れない方の清拭やオムツ交換、着替え、乗り移り、食事の介助などが中心でした。
一年も経つと雑務の割合は新人に回るようになり、身辺介護業務や力仕事も増えていきました。
「ありがとう」と言ってもらえるヘルパーに
ヘルパーについてはどこも募集中であり同じような紹介文で「もしブラックだったら?」という不安が大きくありました。
しかし、友人が勤めている先であり、仕事環境や業務・人間関係・収入なども教えてもらいました。
そのうえでここなら大丈夫と確信を持てたため、決めました。
ヘルパー業務は非常に忙しく体力と力も必要なことが多いです。
またその時々で仕事の流れも優先順位も大きく変わってきます。
そのため臨機応変な対応が求められます。
務める前はただ淡々と決められた仕事をこなすだけと思っていたため、想像とは大きく異なっていました。
しかしうまく適応できるとスタッフからとても必要とされやすいです。
ヘルパーは入ってくる人は多いがすぐに辞めてしまうため慢性的な人員不足な場所が多いため、続けるほどに居心地のいい環境となります。
また、安全に身辺介護が出来ると患者様・家族様からも「ありがとう」と言ってもらえることが多いです。
ニートのころは感謝されることはなく「いつ就職するのか、いつ出ていくのか、いつ親孝行してくれるのか」などと言われることが多く、実家にいても邪魔な存在になっていました。
しかし、仕事を始めてからは両親の態度も変わり、一人前の社会人として扱ってくれます。
収入面では少し不満はありますが、仕事に就いたことで私の生活は大きく変わりました。
仕事はいくらでもある!
私がニートのころは「まだ大丈夫、やり直せる、もう少ししたら頑張ればいい」と何でも嫌なことを先延ばしにしていました。
そこから就活をしても「自分が働くなら最低限これくらいのレベルは必要」と高望みしてしまい、時間だけ浪費してしまいました。
しかし、望む会社とは異なっても仕事はいくらでもあります。
今の自分にできることと時代が必要としている仕事を考えた時、無資格・無職・ニートの私でもヘルパーとして働くことが出来ました。
始める前から諦めるのではなく、現実的に可能な仕事を探してまずはチャレンジしてみましょう。
それがニートから正社員になる秘訣と言えます。