ニートを辞めたかったヌルさん(32歳・男性・北海道)が転職した体験談です。
仕事内容 | 勤務していた会社を退職し4年間のニートからコールセンターの管理職(契約社員)に転職 |
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年収 | 0万円から300万円にアップ |
4年間、貯金を切り崩しながらのニート生活
26歳当時、勤めていた会社を退職し、以降4年間のニート生活を送っていました。
業務量が自身のキャパシティを大幅に越え、日々膨れ上がっていくタスク量とプレッシャーに圧し潰されてしまったことが原因です。
退職後は、就労はおろか、他者とのコミュニケーションすらいやになってしまい、携帯電話もネット環境もない一人暮らしの自宅にこもりきりの生活を送っていました。
貯金を切り崩して生活を送っていましたが、目減りしていく通帳の額面が恐ろしく、食費は1日200円まで、嗜好していた煙草も止めざるをえず、唯一の娯楽は近所の古書店で投げ売りされていた一冊数十円の小説、それを何度も読み返してただ有り余る時間を浪費して過ごしました。
電気と水道は通っていましたが、ガスは料金が払えず止まったままだったため、シャワーは季節を問わず冷水でした。髪も伸び放題で、一番長かった頃は腰に届くか届かないかくらいまでありました。
体調不良で倒れ、数年ぶりに家族と会話
栄養失調と脱水症状を併発して倒れ、意識がはっきりしたときには病院にいました。
倒れた自分を家族が発見し、救急車を呼んで対応してくれていました。
そこで数年ぶりに家族と顔をあわせて会話する機会を持ったことが、ニートをやめることができたきっかけです。
ニート期間中も「もうこんな生活は止めなければならない」という思いはいつもありましたが、いざ行動を起こすだけの勇気はついぞありませんでした。
結果論ではありますが、体調不良で倒れ自分の意思とは関係なく部屋の外へ出られたこと、家族との会話を経て「これだけ心配をかけ、今まで見守ってくれた人たちを裏切るわけにはいかない」という強い動機が生まれたことが、ニートを脱するはじめのステップになりました。
アルバイト先で働きぶりが評価されて契約社員に
はじめは、超短期間限定のアルバイトをこなし、さびついていたコミュニケーション能力を取り戻すところからはじめました。
いくつかのアルバイトを経て、ある程度能力が戻ったと感じたところで、それまでより就労期間を延ばしたアルバイトをはじめました。
そこでの働きぶりが評価されてか、期間終了後、社内の別業務への従事を斡旋していただき、2年間のバイト勤務を経て、2018年の2月に契約社員としての登用が決定しました。
こちらから求めた条件は特にありません。
自分としては、ニートだった自分を社員として雇ってもらえるだけでありがたい、という思いでしたし、そうでなくとも、契約内容自体、不満を抱くような内容ではありませんでした。
自分の能力を磨きたい、恩返ししたい一心で励んだ
役に立つ情報がなく恐縮ですが、これといったものはありません。
というのも、自分はアルバイト従事を経て社員として登用していただいたわけですが、アルバイト従事期間当時、社員になることを目指していたわけではなかったためです。
ニート期間中に錆びついてしまった自身の能力をもう一度磨き上げたい、ニート上がりだった自分を雇ってくれた会社に恩返しがしたい、という思いで一心に仕事に励んでいたのみで、就職のために自ら意識して取り組んでいた行動などはありませんでした。
コールセンターのスーパーバイザーとして
色々な仕事を行っているのですが、メインはコールセンターの運営で、自分はその中でスーパーバイザーの一人として働いています。
クライアントが提供しているサービスに対する、利用者からの質問や苦情等を受け付ける窓口の役割です。
具体的な内容はお伝えできませんが、ECサイトやスマートフォン向けアプリ、ネットゲームや情報商材といったものまで、サポート対象は多岐にわたります。
自分は現在、9時から18時までが就労時間ですが、扱う対象によっては、24時間稼働でサポートを続ける場合もあります。
また、メインほどの規模ではありませんが、自社製品としてアプリ・ツールの開発も行っており、自分もいずれはそちらに関わってみたい気持ちがあります。
積極的にコミュニケーションが取れるようになった!
その会社に決めた理由は、ニート上がりで30歳過ぎの自分を雇ってくれた会社に恩を返したかったためです。
必要としていただけるのであれば、自分の力が会社の利につながるのであれば、どんなことでも貢献したい、という思いが就職を決めた理由です。
よかったことは家族に安心感を与えられたことです。
契約社員ではありますが、まっとうな職と給金を得られている現状は、ニート期間中とは比べようもないほど健全で、ずっと支援し続けてきてくれた家族の努力が、わずかでも報われたことが何より嬉しかったです。
また、社員登用が自信となったのか、以前よりは積極的に他者とコミュニケーションが取れるようになったと感じます。
満足できなかったことは特にないのですが、強いて挙げるのであれば、評価基準をより明確にしてほしいことでしょうか。
自分が社員登用されるタイミングで、社員登用を望んでいた別の同僚は、その希望が叶いませんでした。
自分の中では、その同僚のほうがよほど仕事ができると感じていたこともあり、「なぜ自分が?」との思いから、少しの間関係がぎくしゃくしてしまったことがありました。
感謝の気持ちが行動を起こす原動力に!
ニートを脱してから、がむしゃらに励んできたのみの浅学な身なので、偉そうに言えることは正直何もありません。
ただ、これまでを思い返すと、他者への感謝の気持ちは、何かしらの行動を起こすにあたっての原動力の一つとなると思います。
自分の場合は、ニート期間も支えてくれた家族への感謝、ニート上がりの自分を雇い入れてくれた会社への感謝が、就職までの道のりを歩む上での大きな力となりました。
もし、自分の意思だけではニートから脱せない、就職活動を始められないという場合は、ふと周りに目を向けてみると、頑張れる理由となる何かがあるかもしれません。