キャバ嬢を辞めたかったsaoriさん(25歳・女性・埼玉県)が転職した体験談です。
仕事内容 | 埼玉の北部にある田舎のキャバクラ嬢から病院付属の介護職に転職 |
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年収 | 350万円前後から330万円にダウン |
離婚の気晴らしでキャバクラに
当時神奈川県に住んでいた私は、主人との離婚をきっかけに1歳だった息子と一緒に、埼玉にある実家に出戻りしました。
戻ってすぐの頃は離婚のショックから中々立ち直れず、家に引きこもっていたのですが、それを見兼ねた友人に「気晴らしに一緒に働いてみない?」と、夜のお店に誘われました。
最初、1歳の息子を置いて夜働くのは抵抗がありましたが、このまま無収入でいるわけにもいかず、かと言ってすぐに昼職と保育園が見つかるわけでも無かったので、母に夜の間見てもらい働く事にしました。
元々人見知りもなく、喋る事も聞く事も苦ではない性格だったので、すぐに仕事には慣れました。
お客様のお酒をお作りし、お話をさせて頂き、お客様が少しでも楽しかったと思ってもらえる様な時間を提供する。勿論、お酒の席なので怒鳴られたり、体を触られたりする事もありましたが、それを上手く躱すのも仕事の一環でした。
その他だと、お客様とのメールのやりとりをこまめに行ったり、閉店後にご飯に連れていって貰ったりもしました。
2年程務めましたが、自分に向いている仕事だったと思います。
子供が幼稚園に通う年齢で転職
夜のお店で働くと決めた時に「どんなにそのお店と仕事が気に入っていても、子供が幼稚園に通える年齢になったら、昼の仕事に就こう」と決めていました。
なぜその様に決めていたかというと、場所が田舎でしたので、夜のお店自体も数えるほどしか無かったので、もし万が一子供の通う幼稚園の父兄がお客様として来店なさった結果、噂になって広まりでもしたら子供に対して申し訳ないな。と考えていたからです。
転職後の職種については特にこだわりはありませんでした。
これといった特別な資格も無く、何より小さい息子がいたので、それを許容して下さる場所だったらどこでも良かったのです。
ただ、少子高齢化が如実に表れている地域だったので、必然的に募集も介護系が多くありました。
全国各地の入社試験を受験
主な転職活動としては、ハローワークに何度も通って、職員さんにお話しを伺ってもらったり、求人専用のパソコンがあるので、それを利用して条件に見合った職場を探して、電話して…を繰り返しました。
その他には、新聞広告にたまに入ってくる求人を見たり、知人・友人に連絡を取って話を聞いてもらったり、聞かせてもらったりしました。
インターネットも利用しましたが、田舎だからなのか中々その地域での求人は出ておらず、あまり参考にはなりませんでした。
転職先を探す上で、3歳の息子がいるシングルマザーでしたので、それを許容して頂けるのが大前提としてありました。
ですが、実家ぐらしで、母は専業主婦でしたし、成人済みの兄弟たちも一緒に住んでいて、協力してくれるとの事だったので、出来れば正社員で取ってもらいたいという思いがありました。
5回の面接で雇用をつかみ取る
転職活動は、約1か月程行いました。
その間、昼間は子供の面倒も見ながら、ハローワークに通い、面接に行ったりしていました。
尚且つ、息子が通う幼稚園を探して、入園説明会に行き、入園準備もしなければなりませんでした。
勿論、その為のお金も稼がなければいけなかったので、夜のお仕事もギリギリまで働かせてもらいました。その一ヵ月はとにかく忙しかったのを今でも覚えています。
それでも中々条件に見合う職場が見つからず、5回目の面接で何とか雇用が決まった時は本当に嬉しかったです。
新しい仕事は介護職
新しい昼の職場は、病院付属の介護職でした。
私には未経験の仕事だったので、勿論資格なども持っておらず、一から教えていただきました。
病院と併設しているデイサービスです。
そのデイサービスには、曜日ごとに通ってくる利用者さんが決まっているので、まず朝の9時前後に施設からの送迎にて約50人前後の利用者さんがいらっしゃいます。
その方たちを一人ずつ名簿と照らし合わせながら、バイタルチェックをしていきます。
午前中は主に体操をしたり、入浴介助を行います。
昼食の準備も一人一人違っていて、料理を刻んだり、ミキサーにかけてペースト状にしたり様々です。
午後はレクリエーションを行ったり、マッサージをしたり、お話を伺う事も仕事のうちです。
15時前後に段々と送迎が始まるので、忘れ物が無いかなどのチェックをしてお見送りをしていきます。
16時くらいにそれも終わり、片付けをして、そこから一日の日報を提出します。
介護職と出会えて良かった
転職で決め手となったのは、こちらの状況に対して理解を示していただき、尚かつゆくゆくは正社員としての雇用を前向きに検討して下さるとおっしゃっていただいたからです。
職場の性質上、女性やお子さんがいらっしゃる方も多かったのも決め手の一つでした。
また、介護職と出会えたのも良かったです。
誰かに必要とされ、役に立ち、かつ一人の人間の余生に関わる事が出来る。
中々経験しようと思っても出来ない事だと思います。
他にも専門的な資格を取得するきっかけにもなりましたし、何より自分の身の回りの大切な人にもしもの事があった時、適切に対応する事が出来るようになった事も良かったと思います。
ただ、現場での仕事は体力勝負ですし、職業病として腰痛は覚悟しなくてはなりません。
施設によっては夜勤もあるので、体のサイクルバランスの維持も大切です。
上記のような点から、若いうちは現場での仕事が出来ても、ある程度の年齢を重ねてきた時に辛くなってくる可能性が大いにあります。
それと、これは業界全体に言える事ですが、決してお給料は高くありませんし、需要と供給のバランスがとれていないので、慢性的な人手不足に悩まされています。
利用者さんの持病によっては、職員が暴力を振るわれたり、罵倒されたりする事も少なくありません。
介護は、体力だけでなく、精神力も兼ね備えてないと到底務まらないと思います。
自分の将来を考えて
夜のお仕事の魅力は、何といってもお給料が高い事にあると思います。
それ以外にも、華やかなネオンや独特の賑わいなんかも魅力のひとつだと思います。
ですが、やはり年齢を重ねて来た時に、自分の将来や大切な人の存在を考えて、夜の仕事から抜け出す勇気を持ってもらえたらな、と思います。
勿論最初は上手くいかず、辛く苦しい時間が続くと思います。
でも、諦めず真面目に真摯に向き合っていけば、きっといつか「一歩踏み出して良かった」と思える日がくるはずです。
その日を目指して頑張って下さい。