インストラクターを辞めたかった三枝さん(34歳・男性・北海道)が転職した体験談です。
仕事内容 | スポーツクラブのインストラクター講師からプロバスケットチームのマネージャーに転職 |
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年収 | 260万円から300万円にアップ |
プロのキックボクシング選手からインストラクターに
もともと、プロのキックボクシングの選手でしたが、ケガのため引退し、格闘技系のエクササイズプログラムのインストラクターとして、大手ジムやカルチャーセンター、スクールでレッスンを担当していました。
始めたのは今から8年ほど前、26歳のときでした。
主に、グループレッスンが主体でしたが、パーソナルジムが流行り始めたころは、自分がやっていたトレーニングやストレッチを加味したプログラムを考案し、フリーのトレーナーとして働いていた時間もあります。
また、小遣い稼ぎのために、街の公民館や時間貸しのダンススタジオを間借りし、自身のスタジオレッスンを実施していたこともあります。
ジムやカルチャースクールと異なり、自分でレッスンをしていたほうが、売り上げを直接手にできたので、費用対効果は明らかに自分でやっていたときのほうがよかったです。
インストラクターも長く続けられる職業ではない
実際のキックボクシングの選手とは異なり、エクササイズプログラムのインストラクターはもう少し続けられそうに思っていました。
しかし、インストラクターも長く続けられる職業でないこと、周囲にも30歳、40歳のインストラクターも少なくなっていることが理由で、自分の将来を考え始めていました。
また、ヨガなど一部のレッスンは年齢を問わず、高齢のインストラクター、受講生もいましたが、格闘技系エクササイズについては、年齢を考えざるを得なくなってきていました。
同時に、試合に出場する選手を養成するためのプログラムではないことから、自分がやっていたようなストイックな姿勢の受講生や生徒が少ないこと、目標が立てにくいことも転職を考え始めたきっかけになりました。
5つの転職サイトを見ていたけど…
エン転職、DODA、ハローワーク、indeed、求人ボックスの5つのサイトを週に3回は見ていました。
エクササイズ系インストラクターは、ほかにつぶしが効かないため、なかなか決められない自分もいましたし、自分の経験がまったく活かせない職場にも不安がありました。
サイトを通じて、いくつか面接まで進んだ案件もありましたが、条件が合わなかったり、自分の経験とはまったく異なる分野へは納得がいかず、結局は、知人に紹介してもらった転職先が今の職場となりました。
自分が今まで培ってきた経験、スポーツやエクササイズに関して理解があり、価値観を共有することができる点、少なくとも今の給料よりは条件がよく、また、完全でなくともよいので、週休2日制であることが、自分が求めていた条件でした。
転職は年齢を重ねるほど不利になる
30代半ばであっても、年齢という意味では、転職に難しい年齢であることを痛感しました。
無論、これまでの経歴によりその実感や感想は様々だと思いますが、20代の転職者に比べ、やはり年齢を重ねれば重ねるほど不利になってくることを理解できました。
また、面接した会社の中には、「エクササイズやスポーツは金持ちのやるもの、暇人のやるもの」といった偏った見方の面接官もおり、議論はしませんでしたが、明らかに不快に思われる面接も経験しました。
圧迫面接で私の反応を見たかったのかもしれませんが、自分が8年間費やしてきたキャリアをネガティブに表現されるのには、少し気分が悪くなりました。
体を動かす場面は減ったけど、前職の経験も活かせる
当然ですが、転職後、自分が実際に体を動かす場面は驚くほど少なくなりました。
むしろ、裏方や事務作業がほとんどで、試合のチケットの販売管理、選手からの頼み事の処理、電話対応、試合当日の受付やチームグッズの販売、SNSの発信や返事対応、試合先の滞在ホテルの予約、ファンからの依頼応対、またファンへの情報発信、市のイベントの営業や参加、バスの手配、日々の練習の球拾い、ドリンクの準備、自動販売機の管理などなど、いわゆるなんでも屋さんとして働いています。
ただ、自分がやっていたストレッチやウォーミングアップは、バスケットボールの世界では新鮮なようで、たまに練習前のウォーミングアップタイムを担当していたりもします。
チームで共通の目標を持って仕事ができる!
知人の紹介であったため気心が知れていること、また自分の価値観や求めていることを相談できたこと、また、労働条件についても突っ込んで質問し、納得のゆく回答を得られたことが、大きな決め手になりました。
よかったことは、年収が希望通り1割以上アップしたこと、また、これまで個人で活動していたのと異なり、チームでの仕事、活動が求められるため、孤独感を抱かず、共通の目標を持って仕事を進めていけることです。
あまり満足できていない点は、年収アップされたとは言え、2割程度希望のところ、実際には1割5分程度のアップとなっていることです。
また、週休2日が希望でしたが、試合のスケジュールなどによっては、10日に1日の休みの場合もあり、同時にほぼ土日曜日は試合か、試合のための移動で休みが取れないことです。
想像と違ったことは、チームマネージャーという仕事が、ここまで多岐にわたった業務をこなす立場になるとは考えていなかったことです。
職種はチームマネージャーというのでしょうが、業務内容は、営業、広告、対外折衝、マネージメント、ディレクターなど多岐にわたります。
これまでの経験を評価してくれる会社を選んで!
まず、年齢は大きな味方でもあり、足かせにもなる点をアドバイスしたいと思います。
業種や経験にもよりますが、やはり20代と30代では大きな差異があります。
転職を決断したら、なるべく早く活動されることをお勧めします。
また、異業種に転職すると言っても、これまでの経験や時間がゼロになるわけではありませんので、この点を評価してくれる会社や人を選ぶことを勧めます。