ホステスを辞めたかったゆきさん(35歳・女性・沖縄県)が転職した体験談です。
仕事内容 | 那覇市の高級クラブのホステスから調剤薬局の事務員に転職 |
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年収 | 450万円から160万円にダウン |
自由に使えるお金がもう少し欲しくて
18歳で一人暮らしを始めましたが、単純に自由に使えるお金がもう少し欲しいと思い、スナックで働き始めました。
当時は昼は会社勤めをしていました。
仕事に慣れてくるともっと時給のいいところで働きたいと思うようになり、お店を転々としました。
20歳のころには〇〇市(私の住む市)で1番高いといわれる高級クラブで働くことにしました。
クラブには女性が50名ほど働いていて、お店には常に20人くらいの女性が出勤していました。
週末になると、出勤する女性は30名近くになりました。
クラブは事務所を持ち、法人化していました。
仕事内容はお客様にお酒を作ってあげて、おしゃべりをすることです。
一言で言えばそうなりますが、幅広い知識、流行のチェック、お客様に対する気配り、豊富な経験がないと、実際に客席についたときに場を持たせることができません。
結局、会社員は辞め、夜の仕事で生活するようになり、15年間働き続けました。
辞める半年前から身体が常に重くなって…
毎晩お店で多種のお酒を飲みます。
ちゃんぽん状態の飲み方です。
お休みの日でもお客様とのお付き合いで、ゴルフの後、飲み会に行くことが多々ありました。
私はお酒が好きでしたが、さすがにほぼ毎日ちゃんぽん状態でお酒を飲み続けていれば、身体の調子が悪くなるのは当然のことでした。
クラブを辞める半年前くらいから、身体は常に重く、いくら寝ても疲れがとれなくなり、お酒も進まなくなってきました。
同時に仕事に行くのが精神的につらくなってきました。
客席でもあまり笑えないようになり、お客様から「近頃、元気がないね」と言われるようになってしまいました。
仕事を辞めたいと思うようになっていましたが、当時35歳だった私はこの歳で以前のような会社員になる勇気も自信もありませんでした。
夜の仕事を辞める決定打になったのは、健康診断で肝機能が「要検査」の結果だったことです。
このままでは、心も身体もボロボロになってしまうと思いました。
転職活動はハローワーク1本に絞って
ハローワークに登録し、仕事を探しました。
クラブのときのお客さまや同僚から求人の話をいくつかもらいましたが、求人の話を紹介してくれた方の顔をつぶすことがあっては申し訳ないと思い、そういった話はすべて断りました。
複数の求人雑誌や新聞の折込チラシなどもチェックしましたが、詳細が記載されていないこともあり、ハローワーク1本に絞りました。
ネットでハローワークの求人検索をチェックするのが、毎日の日課になりました。
厚生年金、社会保険完備の求人を探しました。
夜の仕事のときに、国民年金、国保の支払いに困り滞納してしまい、督促状が家に届くことが何度もあったからです。
厚生年金だと、将来もらえる年金の額も多くなるということもありました。
朝起きることができず面接を辞退したことも…
午前中に起きるということが、とても大変でした。
起きれたとしても、頭はすっきりしないし、身体もいまいち気合いが入りませんでした。
実際、面接の予定を10時に入れていたのに、朝早く起きることができずに辞退してしまったことも数回ありました。
あと、前職は何をしていましたかという質問に、正直に答えることができませんでした。
かと言って、大嘘もつけなかったので、クラブが法人化しており事務所があったことから、クラブの事務局で働いていたと答えていました。
調剤薬局で事務の仕事に従事
転職先では、調剤薬局で事務の仕事をしています。
患者さんから処方箋と保険証を受け取り、処方箋に記載された保険証の番号を照らし合わせ、保険証の期限が切れていないかを確認し、保険証のみを患者さんに返します。
確認するのは保険証だけではなく、特別疾病療養受領証や限度額認定証などを持っている場合はそれらも確認します。
処方箋に記載された薬名、量、飲み方をパソコンのシステムに入力します。
あとは、プリンターから入力した内容に沿った薬剤情報、薬袋、明細書、領収書が出てくるので、それらを薬剤師に渡します。
薬を飲み方別に1つの袋にまとめて入れる分包といわれる方法で患者さんに渡すときは、データを打ちながら、薬剤師に「朝は〇〇と××が一緒で、昼は△と※が一緒です」など大きな声で言わなければなりません。
会計のレジ打ちもします。
朝のすがすがしい空気を吸うのは最高!
十数社に履歴書を送りましたが、履歴書の段階でふるいに掛けられてしまい、なかなか面接までたどりつきませんでした。
運よく面接までたどりついても、採用という結果をもらえずにいました。
あせりを感じていたころに、調剤薬局から採用という結果をもらったので、飛びつきました。
私の場合は、夜の仕事を辞めてからお酒をあまり飲まなくなったこともあり、体調がよくなりました。
体調がよくなるにつれて、気分も軽くなっていきました。
朝早く起きるのはつらかったですが、朝のすがすがしい空気を吸うのは最高です。
想像と違っていたのは、クラブの仕事と違い売り上げを競うことがないので、他の事務員さんといがみあったりせず、仲良く仕事ができると思っていました。
ですが、実際は仕事が出来る、出来ないで事務員間で格差みたいなものがありました。
上司である薬剤師から細かなことを注意され、辟易してしまうことがありました。
例えば、トイレに行くときはその旨を他の事務員さんに伝えることです。
みんなと同じことをするという暗黙のルールが分からず、昼休みに外出していたところ、それを注意されました。
休憩室でみんなで昼食を取るというルールを守ってなかったからです。
履歴書、面接のときには正直に言わないほうがいい
夜の仕事をしていたというと偏見の目で見る人が世の中には多くいます。
プライドを持って夜の仕事をしていたと思いますが、履歴書、面接のときには正直に言わない方がいいと思います。
ホステスをしていた人は、知らず知らずのうちに化粧、服装などが派手になっていると思うので、ナチュラルなメイク、清潔感のある服装を心がけるといいと思います。