民間企業を知らないネック|国土交通省を辞めたい人の転職体験談

国家公務員を辞めたかったオレンジさん(30歳・女性・静岡県)が転職した体験談です。

仕事内容 国土交通省勤務の事務官から自動車部品の評価エンジニアに転職
年収 400万円から350万円にダウン「

電話の問い合わせがメインの国家公務員

大学卒業から6年間、国土交通省で勤務をしておりました。
(霞が関の本省勤務、国家二種事務官)

最初の二年間は、建設業許可に関わる部署にいました。
主な業務内容としては、建設業許可に関する法律相談への対応や、建設業関連法の法令順守活動の事務局、海外の建設業者とのやり取りなどを行っていました。

その後、建築関係の統計を取りまとめる部署に異動になりました。
主な業務としては、全国の都道府県から送られてくる統計帳票のチェック、修正、Excelでの加工作業、全国の都道府県担当者に対する説明会の開催、統計結果に関する問い合わせ対応やマスコミ対応を行っていました。

皆さんがイメージする「国家公務員」とは少し違うのかもしれませんが、私が勤務していた部署は一般の方からの電話対応などがとても多い部署で、やっていた仕事の多くを占めるのは電話での問い合わせ対応でした

日本国政府という重み

辞めようと思ったきっかけは、あまりに業務のプレッシャーが大きく、この先続けていける自信がなくなってしまったからです
国土交通省で働いている時期は、毎日終電近くまで残業するのが当たり前でした。

その業務量もさることながら、私が一番辛かったのが「業務内容の重さ」です
一般の方との電話対応の多い部署にいた私にとっては、自分の発した意見が「日本国政府の見解」になってしまうことの怖さを常に感じていました。

今は独身だからそれで良くても、例えばこの先結婚して子供を産んで、子育てをしながらこの仕事を続けていくことができるのだろうか?
定年まで私はずっとこのプレッシャーを抱えて生きていくのだろうか?

そう考えた時に、あまり現実的ではないと感じるようになり、転職を考え始めました。
また、病気というほどではないものの、体調不良が続いたことも、転職を考える一つのきっかけとなりました

転職して専門的知識を身に付けたい

最初はリクルート・エージェントに登録をしましたが、理由があって退会し、その後は「エン転職」を利用して自身で転職活動を行いました。
エージェントをやめたきっかけとしては、二つあります。

まず一つ目は、私の経歴を見た時に担当のキャリアアドバイザーの方に「やってきたことが専門的過ぎて汎用性がない」と言われたことです。
分かっていたことではありましたが、そこからこの先の進むべき道を探していきたかったのに、切り捨てられたような気分になりました。

また、エージェントに登録すると、エントリーする求人数の目標が設けられます。
私は自分が「これだ!」と思った求人にだけエントリーしたかったので、自分のペースで転職活動を進めることができないと感じ、やめることにしました。

私は東京から、両親の住んでいる静岡の実家に戻ることを決めていましたので、実家から通える範囲で仕事を探していました。
また、今度は汎用性のない経験にならないように、どこへ行っても通じる専門知識を身に付けることのできる職種に転職したいと考えていました

民間企業を知らないことが不安だった

やはり一番のネックは、国家公務員として身に着けてきた知識を直接活かすことのできる仕事がないので、どの業種、どの職種に転職するとしても必ず「未経験」になってしまうというアドバンテージのなさは感じました

また、ずっと国家公務員として働いてきたということで、民間企業の文化を知らないということは大きな不安要素でした
私の場合は父が民間企業で働いていましたので、国家公務員との違いや、民間企業で働く上での心構えなどを相談しました。

未経験でも転職できました!

現在は大手自動車会社の子会社で、自動車部品の評価エンジニアとして勤務しています
その中で私が携わっている仕事は大きく分けて三つあります。

1.「評価する項目の作成」
自動車部品を出荷するために、どういう操作をしたときにどう動くことが求められているか、それを、自動車メーカーから受け取った製品仕様書から読み解き、どういう検査をすればその動作を保証できるかを考える作業です。

2.「作成した評価項目の検査の実施」
評価する項目が出そろったら、実際に実験台を使って、期待通りに動くかどうかの検査を行います。

3.海外の関連会社に業務を発注するときの窓口
すべての検査を自社内でやるわけではなく、海外の関連会社に業務を委託することがあります。
その際に英語でのメールのやり取りが発生することがあるので、翻訳を行っています。

役に立たない経験は何一つない

転職サイトに登録していた時に、スカウトメールをいただいたことがきっかけでした。
理系の素養はありませんでしたが、未経験でも大丈夫だと言っていただけたので、専門的な知識を身につけることのできるチャンスと考え、挑戦してみることに決めました

転職するまでは「評価エンジニア」という職種の存在さえ知らず、何をするかも全く分かっていなかったので、入ってからのギャップのようなものは感じていません。
あえて言うのであれば、エンジニアとは理系の大学を出ていたり、専門的な知識がある人ではないとできない仕事だと思っていましたが、文系出身で事務職の経験しかなかった私にも務まる仕事なのだということに驚いています。

入ってから上司に言われたのは、
「もちろん。理系の知識はあるに越したことはないけれども、それよりも大切なのは文章を精読する力やコミュニケーション能力。
あなたは今までの経験でそれが身についているから、存分に活かしてほしい」
ということです。
国家公務員と自動車の評価エンジニア、全くつながらない気がしますが、こんな形で役に立つこともあるんだなあと思いました

自信を持ってアピールしていこう!

専門的な仕事をしていると、それだけでほかの業界や職種に転職することの壁が高く感じてしまうかもしれません。
しかし、今までにしてきたことの専門知識が直接つながらなかったとしても、何かしら役に立てることのできる経験は必ずあるものだと思います。

ビジネススキル、コミュニケーション能力、人脈、何でも良いので、活かせると思うことは自信をもってアピールしてみてください

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